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エコストライプ工法
工法概要データ
工法の特徴
従来の植生基材吹付工による全面緑化が有していた、周辺植生の侵入が進まずに植生遷移が停滞する問題を解決するため、あえて非面
的に生育基盤を吹付けして部分緑化することにより、植物が自然侵入できる空間を施工直後から形成する工法です。

わが国では、1949年にアメリカから外来草本が輸入され、1960年代に吹付機を用いた機械化施工法が確立されて以来、法面を面的に緑化被覆して侵食防止を図る急速緑化が普及したこともあり、法面全体を導入植物で被覆する全面緑化の考え方が今もそのまま引き継がれています。
しかし、全面緑化により高密度の植物群落を形成した法面の多くは植生遷移が停滞し、自然回復を遅らせてしまっているケースが多くみられるのが実態です。また、近年では法面緑化で外国産在来種が多用されるようになり、問題が指摘されています。「自然のもつ再生力が発現されやすいように手助けすることが緑化に必要な基本の姿勢である」という緑化思想の原点に立ち返ると、全面緑化の考え方は必ずしも法面周辺から飛来した種子が定着して自然侵入しやすい環境を造っているとはいえません。
エコストライプ工法は、斜面防災と自然再生を両立させる自然回復緑化技術として、従来の全面緑化に代わり広く社会に貢献します。
<植生の変化>

工法の対応箇所
土工指針「植生基材吹付工(厚層基材吹付工)」に準じます。
<施工バリエーション>
地山の状態に応じて自然侵入領域の施工方法を選択します。
○侵食を受けやすい地山の場合
地山が礫混じり土砂や砂質土の場合、植生基材を菱形金網が露出する程度に薄層吹付けします。

○侵食を受けにくい地山の場合
地山が硬質の場合、自然侵入領域に植生基材を吹付けしません。
この工法の利点
- 非面的な生育基盤の造成により、工期の短縮を図るとともに、緑化工事で発生するエネルギー消費量を大幅に削減できるため、従来工法と比較して緑化工事に伴うCO2 排出量を半減します。
- 全面緑化による密生した植物群落の形成は、法面の植生遷移を停滞させます。エコストライプ工法は、植物が侵入できる空間を法面内に作り出すことにより、植生遷移の停滞を回避して自然侵入を促進します。
- 斜面樹林化工法(2層吹付システム)の組合せにより、植生基材吹付工の市場単価と同程度、あるいはそれ以下のコストで国内産在来種を用いた生物多様性に配慮した緑化を実現します。
- 斜面防災と自然回復の両立を図る緑化工法です。
・林野庁の『林野公共事業における生物多様性保全に配慮した緑化工の手引き』では“点縞状緑化手法”と記載されています。
・全国特定法面保護協会の『のり面緑化工の手引き』では“非面的緑化工”と記載されています。
施工手順
- 手順1 法面清掃工
- 手順2 金網張工
- 手順3 位置出し工
- 手順4 エコストライプ吹付工

<施工事例>


