TECHNOLOGY <<事業案内に戻る
工法名
ニューレミフォレスト工法
工法概要データ
工法の特徴
種子を混合しない生育基盤(高耐久性基盤)の吹付けと、周辺から飛来する種子を効率よく捕捉する種子定着促進ネット「シードキャ
ッチャーV2」の組合せにより、凹凸のある岩盤法面に対しても速やかに周辺植生を自然侵入させることができる工法です。
自然侵入促進工は、種子や苗木などの植物材料を使用せずに自然の潜在的な回復力を活かして緑化する工種で、他の地域から植物材料(種子や苗木など)を持ち込まないので、地域固有の遺伝子の攪乱を避けることができます。そのため、自然公園などをはじめとする生物多様性保全上重要な地域において、地域性種苗(施工地周辺で採取した種子や、それを用いて育苗した苗木のこと)の入手が困難な場合などに適用できます。
ニューレミフォレスト工法は、法面全面施工時と法枠内施工時の2つの仕様を設けており、全面施工時には「シードキャッチャーV2-A」、法枠内施工時には「シードキャッチャーV2-P」を使用します。


工法の対応箇所
土工指針「自然侵入促進工」に準じます。
高耐久性基盤の吹付厚さは、次の工法選定フローによって決定します。

この工法の利点
- 高耐久性基盤とシードキャッチャーV2の組合せにより岩盤法面に適用可能:法面に種子なし植生ネットやマットだけを張り付けるネットタイプの自然侵入促進工を凹凸のある岩盤法面に施工すると、ネットを地山に密着させることができないため、地山とネットの間に雨水等が流下して法面が不安定化しやすくなります。ニューレミフォレスト工法は、高耐久性基盤の吹付けとシードキャッチャーV2を組み合わせて、地山と自然侵入促進工を一体化できるので、岩盤法面への適用が可能となりました。
- 自然環境に配慮したシードキャッチャーV2:シードキャッチャーV2は、易分解性樹脂製のネット資材であり、時間の経過とともに徐々に分解されるため、自然環境に配慮した施工が可能な工法です。
- 高い保水性を有しているシードキャッチャーV2:シードキャッチャーV2は、高耐久性基盤の2cm厚相当の保水性を有しているため、通常の植生工の設計で導かれる生育基盤の吹付厚さから2cmを除した厚さで設計することができます。
- 無植生状態でも侵食を受けない高耐久性基盤:有機質系の生育基盤材「オルガソイル」と侵食防止材「レミコントロール」を使用した高耐久性基盤の造成によって法面保護工としての機能を持続できるので、植物の自然侵入が遅れた場合でも法面が侵食を受けて不安定化する心配がありません。また、シードキャッチャーV2-Aは亀甲金網付きなので、法面全面施工時には緑化基礎工(金網張工)を省略することができます。
- 高耐久性基盤で地山の風化を抑制:一般的なネットタイプの自然侵入促進工は、断熱効果による風化抑制が期待できないので、地質によっては地山の風化が急速に進行します。ニューレミフォレスト工法は、高耐久性基盤が持つ優れた断熱効果により地山の風化を抑制できるので法面を不安定化させません。
- 立体構造のシードキャッチャーV2で飛来種子を捕捉:無播種施工の場合、基盤表面にコケが優占するステージまで達しないと飛来した種子が定着しにくいため、施工後初期の植生回復が遅れる傾向があります。ニューレミフォレスト工法は、造成した生育基盤の上にシードキャッチャーV2を張り付けることにより、風や重力により自然散布される種子を効率よく捕捉するので、自然侵入のスピードを速めることができます。
- 施工時期の制約を受けず通年施工が可能:ニューレミフォレスト工法は、種子や苗木などの植物材料を用いないので、従来の播種工や植栽工のような施工時期の制約を受けず、通年施工が可能です。
施工手順
- 手順1 法面清掃工
- 手順2 高耐久性基盤吹付工(種子なし植生基材吹付工)
- 手順3 種子定着促進ネット張工(シードキャッチャーV2)

