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エコストライプ工法

事業分野
法面事業
カテゴリ
環境緑化工事
工種
植生工法
分類
非面的吹付緑化工

特徴

 エコストライプ工法は,法面にあえて非面的な施工を行なうことにより,人為的に周辺植物の侵入領域となるギャップ(gap:植物が自然侵入できる空隙のこと)をつくり出して植物の自然侵入を促進させる緑化工法です。非面的吹付工なので,従来の全面緑化と比較して生育基盤の造成面積を半分程度以下に抑えることにより,工事で発生するCO2排出量を大幅に低減させ,経済的にも優れたコスト節減を図ることができます。

 わが国では,1949年にアメリカから外来草本が輸入され,1960年代に吹付機を用いた機械化施工法が確立されて以来,法面を面的に緑化被覆して侵食防止を図る急速緑化が普及し,法面全面を導入植物で被覆する全面緑化の考え方は今もそのまま引き継がれています。

 しかし,全面緑化により高密度の植物群落を形成した法面の多くは植生遷移が停滞し,自然回復を遅らせてしまっているケースが多くみられるのが実態です。「自然のもつ再生力が発現されやすいように手助けすることが緑化に必要な基本の姿勢である」という緑化思想の原点に立ち返ってみると,全面緑化の考え方は必ずしも法面周辺から飛来した種子が定着して自然侵入しやすい環境を造っているとはいえません。

 2008年12月に策定された第3次生物多様性国家戦略では,温室効果ガスの削減とともに,「これからの法面緑化においては地域性種苗の活用により生物の生息・生育空間を創出する」という具体的目標が示されています。エコストライプ工法は環境立国にふさわしい自然回復緑化技術として,従来の全面緑化に代わり広く社会に貢献します。

対応箇所

土工指針「植生基材吹付工(厚層基材吹付工)」に準じます。
  • 土砂,礫質土,岩質法面
  • 山腹崩壊地
  • 1:0.6より緩勾配

利点

  1. 非面的な生育基盤の造成により,緑化工事で発生するエネルギー消費量を大幅に削減できるため,従来工法と比較して緑化工事に伴うCO2排出量を半減します。 
  2. 全面緑化による密生した植物群落の形成は,法面の植生遷移を停滞させます。エコストライプ工法は,植物が侵入できる空間を法面内に作り出すことにより,植生遷移の停滞を回避して自然侵入を促進します。 
  3. 斜面樹林化工法(2層吹付システム)の組合せにより,植生基材吹付工の市場単価と同程度,あるいはそれ以下のコストで国内産自生種を用いた生物多様性に配慮した緑化を実現します。
  4. 緑化基礎工に用いる裸地部保護マット付き金網張工(レミディネット張工)で自然侵入領域を保護し,表層土砂移動を防止して飛来種子を効率的に定着させます。 
  • エコストライプ工法は,林野庁の『林野公共事業における生物多様性保全に配慮した緑化工の手引き』では“点縞状緑化手法”と記載されています。

施工事例

施工手順

標準仕様

  • 手順1 法面清掃工
  • 手順2 レミディネット張工
  • 手順3 エコストライプ吹付工

位置出し仕様

  • 手順1 法面清掃工
  • 手順2 金網張工
  • 手順3 位置出し工
  • 手順4 エコストライプ吹付工


エコストライプ工法の断面略図


全面緑化と非面的緑化の植生遷移の違い

  【従来の厚層基材吹付工による外来草本群落の形成(全面緑化)】

  • 全面緑化による外来草本群落の形成では早期にカーペット状の群落が形成されます。保肥性の高い工法を適用すると群落の持続性が高いことから植生遷移が進みにくくなります。

  【従来の厚層基材吹付工によるマメ科低木林の形成(全面緑化)】

  • 全面緑化によるマメ科低木林の形成では早期にブッシュ状の群落が形成されます。マメ科低木群落は早期に林冠を鬱閉し,群落の持続性が高いことから植生遷移が停滞しやすくなります。

  【エコストライプ工法による非面的な木本植物群落の形成(非面的緑化)】

  • 非面的吹付緑化により,鳥類等の棲息空間となる自然性の高い木本植物群落が形成されます。また,群落内に配置された自然侵入領域により,周辺から飛来する種子(風散布や鳥散布)の定着・侵入が促され,植生遷移が速やかに進行します。


施工前


レミディネット張工施工後


エコストライプ吹付工施工後